退職後の転職活動では、転職先や今後のビジョンについて時間をかけて考えることができる一方、経済的な不安が伴うデメリットも存在します。
また、退職後のブランクは応募先企業が注目するポイントの一つなので、合理的に説明できる準備も必要となります。

転職活動中の過ごし方や、退職後2週間以内に行う健康保険・年金の手続き方法について考えてみましょう。

転職活動期間はスキルアップのチャンス

生活リズムを保つ

退職後の転職活動の場合、在職中の転職活動と異なり、時間に余裕があることが特徴的です。柔軟にスケジュール設定を行うことができる一方、生活リズムが乱れるリスクがあります。在職中と同様に正しい生活リズムを保つことが、就職活動を健全に進めるための第一歩です。

自身の振り返りとスキルアップ

また、書類選考待ち、面接結果待ち、そして入社手続き待ちと、自分の裁量で活用できる時間が多くなります。そして、応募書類の送付から内定までスムーズに進んだとしても、2週間から1か月程度の時間がかかることから、その期間を自身の振り返りやスキルアップに活用する人が多いようです。

公共職業訓練を受講

さらに、雇用保険の失業給付を受ける人の場合は、公共職業訓練を受講することが可能です。受講したい訓練を選んだ上で、ハローワークから受講指示を受ける必要があります。筆記と面接の試験に合格することも受講条件となります。受講開始後でも、就職先が見つかれば受講を取りやめることも可能です。

その他にも、自分で選んだスクールや専門学校に通う場合は、失業給付の受給条件の中に「いつでも就職できる能力」という言葉があるため、就職活動と両立できる講座を選択することが大切です。

退職後のブランク期間を前向きに説明する

ブランクが3ヶ月以内の場合

退職後のブランク期間の過ごし方は、応募先企業の関心事の一つです。3か月程度のブランクであれば、慎重に応募先を選んでいたという説明も通用するのかもしれません。なぜなら、応募から内定までの期間が一般的に3週間~2か月程度と考えられており、その程度の期間が空くことは企業として織り込み済みだからです。また、失業給付の最低受給期間が90日間なので、経済面を考慮するとブランク3か月が一つの目安と言えるでしょう。

ブランクが3ヶ月以上の場合

一方、ブランク期間が3か月を超える場合には、応募先への説明内容を細かく検討する必要があります。漠然とした説明だと、転職活動への真剣さを疑われる結果になりかねません。

例えば、公共職業訓練を受講した場合には、3か月~2年のブランクが発生します。実際にスキルアップに取り組んでいるため、訓練で取得した資格や技術を履歴書に記載した上で、転職後の業務に活用する考えがあったと伝えると前向きな印象となるでしょう。

あるいは、育児や介護に伴うブランクも考えられます。その際は率直な事情と共に、仕事と育児・介護を両立できる時間の使い方を具体例を挙げて伝えることが効果的です。企業に育児・介護への配慮義務があるとは言え、業務への支障がないかどうかも関心事となり得るためです。

在職期間の短さを、将来のビジョン説明でカバーする

退職前の会社の在職期間が短いことは、転職活動の上で不利な条件の一つとなります。その反面、企業へのアピール方法によって有利な条件に変えることも可能です。今回の転職を最後にして、今後は長期的に応募先企業で活躍したいとアピールすることが前提となります。

また、多くの会社には試用期間が設けられています。会社側が本採用可否を判断する期間という考え方が主流とされている一方、働く側が自分の能力を長期にわたり活用できるかを判断する期間という考え方もあります。その考え方を取る場合には、今後の能力活用方法について実例と時間軸を交えて説明する必要があります。

さらに、短期間に複数回転職している場合には、各社の具体的な退職理由と共に、自分としての目的意識を明確に説明できることが求められます。ただし、目的意識が薄いと判断された場合には、人間関係や労働条件に左右されて転職を繰り返す印象につながる恐れがあるので注意が必要です。

他にも、不採用が続くと転職活動が長期化し、前で説明したブランクの問題も発生する可能性があります。応募先企業の研究を入念に行い、担当者が魅力を感じる説明ができるようにしましょう。

転職期間中のアルバイトは勤務条件に注意

雇用保険の失業給付を受けながらアルバイトをする場合は、次の3点に注意が必要です。

短期間のアルバイトを選択

まず、就職と判断されないよう短時間のアルバイトを選択する点です。
雇用保険の加入条件として、1週間の所定労働時間が20時間以上、かつ31日以上の雇用見込みがある場合と定められています。この条件を満たすと、アルバイトであっても就職と見なされてしまい、失業給付はアルバイトの初日に遡り停止されます。アルバイトをする場合は、週20時間以内に調整したり、短期間・単発のバイトを選択したりすることをおすすめします。

ハローワークへの申請

次に、アルバイトをした事実をハローワークに必ず申告する点です。失業認定申告書に、アルバイトの時間や収入を記載して申告します。申告内容により、アルバイトをした日の失業手当の支給判断が行われます。ちなみに、1日4時間以上アルバイトをした日は、失業給付の支給が先送りになります。

ハローワークへの申請を怠ると…

アルバイトをしたことをハローワークに申告しなかった場合は、失業保険の不正受給として取り扱われます。その結果、失業保険の支給が停止されたり受給額の3倍の返還命令が出されたりするケースがあるので、申告忘れには要注意です。

退職後に行う健康保険の手続き

退職後に行う健康保険の手続きは、次の3つから選択可能です。この手続きを行わないと、病院でかかる医療費は10割負担となるため、忘れないよう注意しましょう。

退社後も加入している健康保険を任意継続

1つ目は、退職した会社で加入していた健康保険の任意継続を行う方法です。2か月以上健康保険の加入期間があることが条件となり、退職日の翌日から20日以内に手続きを行う必要があります。任意継続が可能な期間は、最大2年間です。任意継続の健康保険料は在職中の約2倍が目安ですが、保険料計算の基礎となる標準報酬月額に上限が設定されているケースが多いです。

国民健康保険に加入

2つ目は、国民健康保険に加入する方法です。住民登録をしている市区町村役場の国民健康保険窓口で手続きを行います。退職日を確認する書類として「社会保険資格喪失証明書」が必要なので、退職した会社から必ず受け取りましょう。資格喪失証明書が届いていない場合で、早急に医療機関にかかる必要がある場合は、窓口の担当者に事情を相談すると良いでしょう。前年度の所得によっては、国民健康保険料が高額になるケースがあります。手続きの際には、任意継続の保険料と比較することをおすすめします。

世帯主の健康保険に加入

3つ目に、同居の家族がいる場合には、扶養家族として世帯主の健康保険に加入する方法もあります。追加の保険料はかかりません。ただし、年収130万円以内の制限があるため、失業保険の受給額によっては扶養家族として認定されない場合がある点に留意が必要です。

退職後は国民年金への切り替えを忘れずに

退職した会社で厚生年金に加入していた場合、退職日の翌日に被保険者資格を失います。そのため、退職後は国民年金への切り替え手続きが必要となります。

退職日から14日以内に、住民登録をしている市区町村役場の国民年金窓口で手続きを行います。退職日を確認する書類として「社会保険資格喪失証明書」が必要ですが、離職票で代用することもできます。あわせて、印鑑と年金手帳又はマイナンバーカードを持参します。

国民年金保険料を納めることが難しい場合には、保険料の免除手続きの申請が可能です。退職理由を問わず、失業による特例免除として取り扱われます。7月から翌年6月までの期間を1サイクルとして申請した後、本人と配偶者それぞれの所得額の審査が行われます。その後、保険料の免除可否の決定が届きます。国民年金保険料免除・納付猶予申請書は、日本年金機構のホームページからダウンロード可能です。

保険料の免除を受けた期間は年金加入期間に含まれますが、国民年金への切り替えを行わなかった場合は年金未加入者として取り扱われ、年金加入期間から外れることになります。その結果、将来の年金受取額が少なくなったり、万一の際に障害年金を受け取ることができなくなったりするので、退職後は国民年金への切り替えを忘れないようにしましょう。