部屋を借りる際、賃貸保証会社との契約が必須となる物件が増えています。賃貸保証会社とは、賃借人が家賃を滞納してしまった時に代わりに支払いを受け持ち、大家さんの代わりに賃借人に家賃を催促する役割を持っています。

ここでは、どうして賃貸保証会社が必要になるのかと、契約にあたって注意するべきことをまとめました。

賃貸保証会社と連帯保証人の関係

部屋を貸すにあたって大家さんがもっとも気にすることの一つが、家賃を滞りなく払ってもらえるかどうかです。賃貸契約をした時は信頼ができたとしても、その後賃借人にどのようなことが起こるかは誰にもわかりません。もしかしたら所得が得られなくなり、賃借人個人では家賃を支払えなくなってしまう事態もあるかもしれません。
そのようなリスクを回避するために、賃借人の代わりに家賃を支払ってくれるシステムが必要になってきます。

昔はその役割を、すべて連帯保証人が担ってきました。連帯保証人は賃借人が家賃を支払わなかった時に連絡を受け、代わりに支払いをする責任を引き受けることになります。多くの場合、賃借人の両親などの親族が連帯保証人になります。長く社会に出ている親世代の人間ならば、支払いを任せられるという信頼感があったのです。

しかしその信頼も、バブル崩壊以後はなくなってしまいました。不況によりリストラや就職難が続き、親世代でも支払い能力を持たない人が増加したのです。また高齢化社会となったことで、介護や通院により家賃の支払いどころではない人も増えました。このような社会情勢の下、より信頼できる保証先として、賃貸保証会社が重視されるようになったのです。

賃貸保証会社の初回料金

不動産会社で賃貸物件の契約をする時に保証会社を利用する場合、賃貸契約とは別に初回保証料が発生することになります。初回保証料は敷金・礼金と同じほどの金額になることもあるため、部屋を借りる際には気にしておきたいところです。

初回料金に関して

利用する保証会社によって料金はさまざまですが、多くの場合は家賃の30%~70%の金額を支払うことになります。支払いは不動産会社を経由することになるため、初期費用としてあらかじめ準備しておきましょう。もしも保証会社を選べる場合はどこを選ぶかで金額が変わってくるため、不動産会社で相談してみるとよいでしょう。ただしほとんどの保証会社では最低保証料を設定しているため、家賃の安い物件を借りる際は割合が高くなる可能性があります。

減額されるケース

賃貸保証会社の利用が必須の物件の場合、もし別に連帯保証人がいる場合や、学生さんの契約の場合は、初回保証料が減額される場合もあります。これは家賃を滞納してしまった時に保証人が支払ってくれる可能性があるため、保証会社が負うリスクが減少するからです。こちらも利用する保証会社によってまちまちなので、事前に調べておくことをお勧めします。

賃貸保証会社の更新料

賃貸保証会社では物件の家賃と同じく、一定期間毎に更新料を支払う必要が出てきます。敷金・礼金のように最初に支払えばそれで終わり、とはいかないため、注意しておきたいところです。

更新料金に関して

この更新料は初回保証料より更に、保証会社によって違いがあります。支払う金額が違うのはもちろんですが、支払いの発生する期間が、家賃と同じく一ヶ月毎の場合もあれば、2年毎の賃貸契約更新と同時になることもあります。支払総額としてはだいたい同じですが、賃貸契約の更新と保証会社の更新が重なる場合は用意しなければならない金額が高くなるため、事前に用意しておきたいところです。

支払う料金に関して

支払う金額は、支払金額が短ければ家賃の1%など、かなり低く設定されることが多いです。支払いが年単位の場合は、家賃の20%から50%ほどの割合で支払う場合と、金額が固定されている場合とがあります。ただし割合での支払いの場合も、初回保証料と同様に最低保証料が設定されていることがあります。

また連帯保証人がいる場合も、契約更新料が減額、または免除されることがあります。もし保証人になってくれる方がいるのであれば、必要がなくてもお願いしておいたほうがお得になりますね。

賃貸保証会社契約時の書類審査

賃貸保証会社を利用する場合、保証会社から賃借人に対しての審査を受けることになります。保証会社にとっては、賃借人が家賃を支払えなかった時に金額を肩代わりしなくてはならないので、その人が家賃を滞納しないかどうかを調べておく必要があるのです。

必要な書類の準備

審査のためにはいくつかの書類、証明書が必要になります。具体的には保証会社への申込書のほかに、身分証明書、住民票、所得証明書です。身分証明書は運転免許証や健康保険証のコピーで大丈夫ですが、住民票と所得証明書は事前に準備しておく必要がありますね。これらの書類を不動産会社に預け、担当の人が保証会社に送ることで、審査が始まります。

審査で重要視されること

審査で重要視されるのは、賃借人の支払い能力と信用性です。そのため身元がはっきりしていることや、家賃と収入を照らし合わせた際に無理なく支払っていけそうかどうかが重点的に調べられます。また別の賃貸契約時やスマートフォン契約時の情報などから、過去にほかのところで料金を滞納していないかどうかも調査しています。これらの条件を照らし合わせて、その人のことを信頼できると判断された場合、賃借人は書類審査を通ったことになります。

賃貸保証会社の電話連絡による審査

書類審査が通ったからといって、それで賃貸契約ができるわけではありません。保証会社によっては書類審査とは別に、電話連絡による賃借人本人や関係者に対する審査を行うこともあります。もし賃借人に連絡をしなければならない事態になった時に連絡がつかないと困るので、ほとんどの保証会社ではこの電話審査を行っています。

電話審査に関して

本人に対する電話連絡は、主に携帯電話、書類に記載している場合は自宅の固定電話にかかってきます。この目的は連絡のための開通確認なので、難しく構えている必要はないでしょう。礼儀正しく対応をしていれば問題はありません。ただし、相手に非協力的な態度をとったり、そもそも電話に出なかったりすると、審査に落とされる場合があります。

職場に連絡が入るケース

電話審査はほかに、緊急連絡先に指定されているところと、賃借人が働いている職場にもかかってきます。緊急連絡先はたとえ連帯保証人ではなかったとしても、賃借人と連絡がつかなかった場合にかけなければならないため、開通確認だけはしておかなければなりません。

また職場に対する連絡は、賃借人の在籍確認を兼ねています。もしもその場に賃借人が居合わせなかったとしても、その職場で働いているという情報があればいいため、職場の人には電話連絡があるかもしれないと伝えておくといいでしょう。
これらすべての審査に通れば、保証会社を利用して賃貸契約ができるようになります。

生活保護対象者への賃貸保証会社の審査

もしも賃借人が生活保護を受けている場合、賃貸物件を借りられる可能性はぐっと低くなります。賃借人は家賃を支払う義務がありますが、生活保護者は支払うための能力が低いと見られることが多いからです。しかし保証人や緊急連絡先があるのであれば、借りられる物件がまったくないということはないでしょう。

そして大家さんが了承してくれている場合、保証会社が審査を通さないことはあまりありません。不動産会社の中には生活保護の方の賃貸を探すのに優れたところもあるため、いろいろな不動産屋を回ってみるとよいでしょう。そのような不動産屋ならば、生活保護でも契約してくれやすい保証会社を知っているはずです。

問題は、賃借人に身元を引き受けてくれる方がまったくいない場合です。この場合は、賃借人が生活保護の立場でありながら自分の責任をすべて負わなければならないため、信用を得ることがとても難しくなります。少なくとも緊急連絡を受けてくれる方を探す必要があるでしょう。またこの場合も、身の上を不動産屋で相談し、根気よく探し続けることが重要です。

また、保証会社から発生する料金は家賃とは別なので、生活保護からは出ないことが多いです。このことも不動産会社や福祉事務所で相談しておくとよいでしょう。