転職を考えている方の多くは、履歴書や職務経歴を通していかに自己PRをするか、という点に注目する傾向があります。
しかし、実のところ転職でも筆記試験を課す企業が増えており、しかも選考の中でかなり重要度が高いケースも見受けられます。

今回は、多くの転職希望者が見落としがちな、筆記試験の概要と対策方法をお伝えします。

転職活動で侮れない、筆記試験の重要度

転職活動で筆記試験を課す企業は、基本的に何かしらの意図をもって実施しているケースが多い傾向といえます。主に一般教養や適性検査、また、専門職では専門的知識を問う試験になります。
試験を行うタイミングも企業によってばらばらで、書類などとともに一次選考の一部として行うこともありますし、反対に面接の合格者に対して試験を実施したり、最終面接とともに行ったりすることもあります。

筆記試験の準備

筆記試験をどのタイミングで行う場合でも、重要度が低いことはないので、履歴書や面接対策と同じぐらい準備しておく必要があると考えておいてください。
特に、一次選考として筆記試験を実施する企業では、点数で志望者の足切りを行っている可能性も考慮し、高い点数を確保しておいた方が安心です。

また、二次・三次選考で筆記試験をする場合でも、あまりに低い点数では人事部の方にマイナスなイメージを持たれる可能性があります。転職者では自身のこれまでの経験をアピールすることに注力するあまり、筆記試験の対策がおろそかになってしまうケースも見受けられます。
しかし、問題集を購入して一通り問題演習を行っておくなど、何かしらの事前準備を行っておくべきです。

筆記試験を受験する際の服装は?

筆記試験の受験に際してよくある疑問が、どんな服装で試験会場に向かうべきか、という点です。筆記試験を受ける際の服装は、試験会場が志望企業なのか、それ以外の場所で行うのか、という点で判断しましょう。筆記試験が面接などと同様に志望企業で実施される場合は、スーツを着ていくのが一般的です。

そもそもこのようなケースでは面接の前後に筆記試験を行うことが多いので、スーツ以外の選択肢はないでしょう。面接後は緊張の糸がほぐれてしまいがちですが、キチンと問題文を読み、かつ見直しをするなど、気を抜かずに試験に取り組みましょう。一方で、一部の筆記試験は志望企業ではなく、テストセンターや自宅での受験となることがあります。

特に、Web試験も多くの企業が導入しているので、こうしたケースでは私服で大丈夫です。テストセンターの場合も、会場にいる試験官は志望企業の社員ではなく委託先のスタッフなので、特に心配する必要はありません。スニーカーなどの歩きやすい靴で、ゆったりとした服を選ぶと良いのではないでしょうか。
また、季節によっては冷房が効きすぎている場合に備えて、上着なども準備しておくと安心です。

転職における筆記試験の問題内容とは?

筆記試験で出題される問題は多岐にわたりますが、試験形式によって一定の傾向があると言えます。一般教養試験が実施される場合には、鶴亀算などの計算試験(非言語)と、ことわざなど言葉の意味を問う国語試験(言語)の二科目が一般的です。おおよそ多肢選択式で、いくつか提示された答えの中から正解の選択肢を選ぶ形式が多いです。

また、時事問題を問うケースもありますから、日頃から新聞やテレビのニュースを見て、いま社会で起きていることをきちんと把握しておけば大丈夫です。一般教養試験の他には、論述試験という形をとる企業もあります。
この試験形式では、何か一つのテーマが与えられるので、それについて指定の文字数で自身の考えなどを論述することになります。

一見すると対策が困難に見えますが、こうした論述式の試験では正しい答えが求められているのではなく、むしろ論理展開や日本語力が見られていることが多いです。
ですから、論述試験についても、対策としては日常的に様々な問題に関心を持ち、論理的に考える癖をつけておくことが大切です。この他には、専門的知識を問う専門試験が実施されるケースもありますが、ここでは特定の分野の知識が、企業が求める水準に達しているか否かを判断する問題が出題されます。

SPIの試験方式とその内容

筆記試験で実際に実施されることが多いのが、リクルートキャリアが開発したSPIテストです。SPIは沢山の企業が導入しているため、受験する可能性が最も高いといえます。試験内容としては能力検査と性格検査の二つからなります。

能力検査では言語分野と非言語分野が出題され、計算や同義語などを問われます。出題数が多いので一つ一つの問題に時間をかけていると時間が足りなくなってしまうので、できる限りスピーディーに問題を解いていくのがカギです。
企業によっては能力検査の中で英語試験を行うこともあるので、頭に入れておくとよいでしょう。

もう一つの性格検査では多角的な質問を通して、受験者の性格を判断していく試験になります。対策が難しいとも言われていますが、最も大切なことは素直で正直に回答していくことです。
この他、SPIではいくつかの試験形式があります。現在もっとも一般的なのはテストセンター形式で、書類提出後に企業の案内に従って受験日の申し込みをします。ペーパーテスト形式を実施する場合は、志望企業で実施するのが一般的です。

また、自宅で受験するWebテスティング形式も存在します。どの形式を行うかは企業次第なので、もしどの形式で受験するのか不明な場合は、きちんと志望企業に確認をするとよいでしょう。それぞれの形式で問題内容にも違いが出るので、問題集をやっておくなどの対策も忘れないでください。

筆記試験で電卓を使うことがある?

転職活動中の筆記試験では、電卓を使うこともあります。例えばSPIでは、先ほど説明したように様々なテスト形式が存在し、形式によっては電卓を使用することがあるのです。SPIの例では、テストセンターおよびペーパーテスト形式で電卓を使用することは認められておらず、Webテスティングの場合のみ電卓を使用します。

これは、他の筆記試験でも類似の傾向が見られ、自宅のパソコンで受験する場合は電卓を使用することが多いといえます。電卓使用の可否は筆記試験の案内が来た時に連絡されますので、きちんと確認するように心がけてください。使用する電卓については、普段使用しているものでかまいませんし、使い慣れているものが一番良いでしょう。

もし持っていない方がいらっしゃれば、事前に購入しておいてください。基本的には100円均一などでも大丈夫ですが、できれば使いやすいもの、例えば数字が見やすいものやボタンが押しやすいものなどを選ぶと良いでしょう。
また、試験中は問題から目を離せないこともありますので、問題を解くことに集中できるように事前に電卓を使用し、練習しておくと安心できます。特に、使い慣れていないものではボタンの押し間違えなど、無駄な時間を取られる可能性もあるので注意が必要です。

筆記試験が思うようにできなかったときの対処法

書類選考を通過し、筆記試験も万全な準備をしたにもかかわらず、本番でうまくできなかったという場合もあります。失敗してしまう理由としては、自分が想定していなかった問題や苦手な問題が出題された、あるいはタイムマネジメントを失敗してしまったケースなど、様々な理由があり得ます。

しかし、残念ながら一度受験した筆記試験を受けなおすことはできないので、気持ちを切り替えて前に進まなければなりません。大切なことは筆記試験ができなかったときに、「なぜできなかったのか」を明らかにしておくこと、そして、同じ失敗を二度と繰り返さないように心がけることです。

だからこそ試験後は、できるだけ時間を空けずに、最低でもその日のうちに振り返りを行っておきましょう。特に、考えるべきは、どのような問題が出題されたのか、また、失敗してしまった理由とその改善方法などです。
自分の頭で考えるだけではまとまらないこともありますので、ノートや手帳などにきちんとまとめておきましょう。

このようにノートにまとめておき、日頃から反省点を見直しながら問題演習に取り組むことで、自分自身の弱点を克服していくことが大切です。さらに、いくら自分自身が失敗したと感じても、自分の想定以上に点数が取れている可能性もあります。企業側から選考結果が来るのをきちんと待ってから、次の企業の対策を始めるのが良いでしょう。