不動産屋さんの入り口よく貼ってある賃貸物件の情報。情報を良く見ると、「管理費込み」や「管理費別途」などの表記がされていることがほとんどです。つまり、家賃に含まれるのは単に賃貸料だけではありません。

部屋を借りるには大半の物件に対して管理費を払う必要があります。その管理費とはいったいどんなものなのでしょうか?

賃貸料に上乗せされる管理費用とは?

賃貸料に上乗せされる管理費用とは、基本的に、借りたアパートやマンションの環境を維持していくための費用です。
例えばエントランスや階段など共用部分の照明代、エレベータの点検代、草刈りやゴミ捨て場などの清掃費用などに使われます。

管理費用は同じマンションやアパートでも部屋番号によって違うことがあります。まず、部屋の平米数によって違います。だいたい倍の広さになると管理費用も倍になります。

繁忙期と閑散期の違い

その他、3月・4月のいわゆる引っ越し時期に入室した人とそれ以外の時期に入室した人で管理費用に差が生まれることがあります。引っ越し時期なら入室希望者が多いので賃貸料を少々高く提示しても部屋は埋まりやすいです。

一方閑散時期にはなかなか埋まらないため、不動産に提示する賃貸料を「管理費別」として引っ越し時期より下げます。しかし、結局は家賃の合計額を合わせているというからくりです。

したがって部屋を決めるときには賃貸料だけでなく、管理費用の額も頭に入れておくことが大切です。

また、管理費用については法的に決められたルールがありません。不動産屋や家主によって定義はそれぞれです。したがって管理費用が適正に使われているかどうかは確定的ではありません。そのため部屋を見に行ったときに自分の目でしっかり確認しておく必要があります。

賃貸するときの管理費の相場はいくらくらい?

まず、不動産屋で部屋を探すときに、掲示されている家賃が管理費込みなのかそれとも管理費別なのかをしっかり見ておく必要があります。管理費がいくらなのかを確実に把握しておきましょう。

不動産屋の掲示では賃貸料ばかりを目立たせる傾向にあるので、安いと思って思わず飛びついたら管理費が高くて物件選びに失敗したということもありえます。

管理費の相場について

賃貸時に払う管理費の相場ですが、だいたい賃貸料の5%~10%くらいが多いです。一般的にエントランスが豪華なつくりであったり、防犯設備が充実していたり、エレベータがついているところなどはそれなりに維持費がかかるので管理費用が高めに設定されています。

もし、管理費が5%を切るようであれば、設備管理がきちんとされていない可能性があります。掲示物がはがれていないか、ゴミ捨て場は清潔か、電球が切れていないかなどしっかり確認しておく必要があります。

逆に15%以上の管理費をとられているのにとくに充実した設備は見当たらないという場合は、管理費がどんなふうに使われているか不動産屋に確認したり、不安な場合は別の物件をあたるのがいいでしょう。

賃貸料と同じように毎月管理費を払わなければならないのはなぜ?

管理費は初回のみや何か月かに1回払えばいいというものではありません。部屋の賃貸料と同じで毎月払わなければいけないものです。家賃は賃貸と管理費を合算したものなので決められた期日に一緒に払います。

では管理費を毎月払わなければならないのはなぜでしょうか?毎月電球が切れるわけではないと考えるとそういった疑問も出てきます。

部屋を借りる側にとっては、部屋の賃貸料と管理費というのは別に提示されています。しかし家主側にとって、実は賃貸料と管理費の間にはっきりした区別がないのです。

したがって、管理費として入ってきたもの全てがきっちり管理費として出ていくわけではありません。つまり管理費を含めた金額が家賃としてひとまとめになります。そのため毎月受け取る必要があるのです。

それではなぜ部屋の賃貸料と管理費を分けて提示しているのかというと、借りる人に家賃を安く見せるためです。

例えば、不動産屋の掲示に賃料7万5,000円(管理費別)と賃料8万(管理費込み)と書いてあれば、合計額は同じでも7万5,000円の方が目に付きます。完全に営業的な理由が大きいです。

しかし、管理費として毎月お金を支払っているのは確実ですから、共用部分の不備が見つかれば堂々とその旨を伝えることができます。普段から自分でもしっかりチェックしておくことが大切です。

賃貸時の管理費は交渉次第で安くなるの?

一般的に家賃は築年数や設備の充実度と立地や環境など周辺の相場と合わせて設定されています。そのため、賃貸料そのものを交渉するには物件も見きわめが難しいです。また、金額の高い賃貸料を交渉するのはなかなか難しくて失敗に終わる可能性が高いです。

しかし、管理費の場合、交渉次第で安くなることがあります。賃貸料と違い、金額が安いこともあって交渉に応じてもらいやすいです。部屋を決めるときに予算が少し足りないときはぜひあきらめずに交渉してみましょう。

交渉タイミングの最適解は?

交渉するにも成功しやすいタイミングがあります。ついつい早いタイミングで交渉したくなりますが、少し待ってみましょう。家主も借りる意思の固い人の方が交渉に応じる気になります。

そのため、部屋を初めて見たときよりむしろ、入居申込書を記入する直前の交渉が効果的です。ただし、審査を通過した段階までいってからの交渉は、不動産屋や家主にいい印象を与えません。たしかに賃貸借契約書の記入が最終的な決定ですが、トラブルになるのを避けるためにもやめましょう。

管理費を交渉する文言としては、「他の部屋の管理費が安い」、「部屋の内覧の際に設備が行き届いてない部分があった」、「1階の部屋なのでエレベータの管理分は安くしてほしい」などがあります。

賃貸するときに払う管理費に消費税はかかるの?

管理費には消費税がかかるのでしょうか?不動産管理では非課税対象となるものが存在します。このことに関しては国税庁による正式な通達があり、管理費には消費税はかからないことになっています。居住者が住宅を共同で利用するためのものには非課税と決められています。

居住用物件は非課税

ちなみに居住用物件と認められている件にも消費税がかからないことになっています。したがって管理費を含む家賃には消費税がかかりません。家賃は固定費なので消費税が上乗せされないことは経済的には安心です。

その他、家賃に含まれた駐車場代や借りた部屋にあらかじめついていた家電や家具などの設備料も非課税対象となります。

入居を申し込むときには審査と通過した後、賃貸借契約書を記入することで正式契約となりますが、このとき賃貸借契約書の内容をよく見てみましょう。ここに居住用家賃と書いてあることが非課税の条件です。

事業用物件は注意

ちなみに事業用物件であれば消費税がかかるので、もし居住用として借りた部屋を事業用に使う場合は事前に家主に申し出なければいけません。届け出た時点から管理費を含む家賃に消費税がかかるようになります。

管理費無しの賃貸物件はあるの?

不動産屋で物件を探す場合、管理費なしになっている物件もあります。ただし、その場合管理費がすでに家賃に込みになっているというケースがあります。

そもそも賃貸料と管理費は家主にとって一つのまとまった収入です。管理費という名目でもその使用用途については明確にするべき規定はないので、不動産屋や家主の意向で管理費を家賃に含めるということも可能なのです。

管理費の表記がないのは一見お得感があるのでそれをねらいにしている理由もあります。思わず飛びついてしまうと、初期費用は賃貸料の何か月分かを払うことになるので損になってしまう可能性もあり、注意が必要です。

もし、単純に管理費が徴収されていないなら、設備管理がほったらかされているというケースがあります。家賃が安くなるのはうれしいですが、環境が悪くなるのは衛生上もよくありません。とくに近くに大家さんがいない場合電球の交換や掃除がどう管理されているのかを明らかにしておくと安心です。

管理費が込みなのか徴収されていないのかよく分からない場合、部屋を決めるときによく確認しておく必要があります。そうしないと住み心地が悪くなった場合、堂々と申し出ることができなくなってしまいます。”